NPO法人 BIO-IT研究開発機構
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第76回 BIO-ITの理論と実際~記憶と忘却思考~

2020/1/13 市村

~記憶と忘却思考~


前回の定例研で、すべての生命体の記憶媒体は遺伝子であり、その本質はテラヘルツ帯の電磁波であり、BIO-IT技術における記憶も同一原理であろうという仮説をあらためて発表しました。ヒトの脳神経細胞(ニューロン)は1000億個ほどあり、細胞分化によって「10万種ほど」あるとしましたが、これは2006年出版の拙著から引用したもので、真偽を確かめられませんでした。この仮説についてさらに思考を続けています。

1.生命体の記憶

1) 現在、ヒトや高等動物の脳記憶は、コンピューターと対照されるような電気信号の流路パターンと考えられています。

2) これと一線を画していると考えられている記憶があります。情報が物質として生体内に蓄えられる現象で、この種の記憶の例として「a. Tリンパ球とBリンパ球」と言う2つの細胞からなる獲得免疫系記憶と「b. ミクログリア」という中枢神経系の免疫細胞の記憶があります。従来、脳と免疫系は互いに独立に働き、関わりないと考えられていました。しかし近年、脳における免疫系の活性が極めて高く、それが脳機能にも不可欠であることがわかってきました。

3) 神経細胞を持たない植物や細菌、さらにウイルスの記憶があります。1)、2)、3)は見かけ上異なった様式ですが、それらの原理は同一であろうという仮説を2006年6月に立てています。

 

2.記憶(記名)の過程

脳記銘数 免疫記銘数 細菌等記銘数 BIO-IT記銘数
1)記銘(record)
:書き込み、新しい情報の取入れ
無限大 少数 なお少数 無限大
2)保持(retention)
:情報の貯蔵
無限大 少数 なし 無限大
3)再生・想起(recall)
:貯蔵情報の意識化
無限大 少数 なし 無限大

再生、再認されるためには、保持されている情報が必要に応じて探求される過程があり、これを読み出し(retieval)と呼んでいます。脳神経系記憶の再生には意識が関わる事が多いが、無意識的な再生もあります。しかし、免疫の記憶再生は意識的ではありません。意識/無意識の概念はヒトが作ったものです。植物・細菌・ウイルスの記憶の再生は無意識と思われていますが、私は、刺激を感受し、記憶し、反応行動に至ることは意識であると理解しています。

 

3.記憶の種類(保持時間)

1)感覚心像
:1秒以内に消える
2)短期記憶
:感覚心像のうちいくつかの像は1~2分間持続する
3)長期記憶
:数時間から半永久的に持続する
刷り込み(imprinteing):鳥類やほ乳類の生後ごく早期に起こる特殊な学習。その時期に身近に目にした動く物体を親として追従する現象で、鳴き声やにおいもこの学習の刺激となる。他の学習と異なり一生持続する。

 

4.記憶の持続時間、記憶の喪失にいたる時間の事例

1)ヒトの脳記憶:記憶力、暗記力、記憶時間、想起力などヒトにより様々です。

2)ヒトの免疫記憶:ワクチンの種類によって有効期間すなわち免疫記憶持続時間が異ります。しかし、その理由は不明です。

3)魚の脳記憶:ブリ(魚ヘンに師)の突発的な危険体験記憶は数時間です。しかし、えさと音響の連続的な体験は半永久的記憶です。フグ類、イシダイなど学習し芸をします。アジのと突発的な危険体験記憶は1時間以内のようです。

4)細菌の記憶:薬剤の機能を記憶し、それに対する耐性の獲得、しかも複数の耐性を獲得した多剤耐性菌が治療を困難にしています。

5)ウイルスの記憶:抗インフルエンザウイルス薬(増殖したウイルスが核膜を破るのを防ぐ酵素薬)に対抗するウイルスが短期間で出現しています。すべての生命体は生命を維持に支障をきたす情報・事象を記憶し、それをもとにして生き続ける進化を続けています。

 

5.忘却

長期に蓄えられた記憶、経験したり学習したものの保持が一時的または半永久的に衰退ないしは喪失することです。生命体の記憶媒体が遺伝子であるという仮説から、一時的な忘却(何らかのきっかけで想い戻す)はエピゲノム現象と考えられます。

ハシカの予防接種を受けていないオランダの子供77人を分析、ハシカウイルスは過去にかかった病気を記憶する抗体(免疫記憶)の11~73%を消し去る、中には免疫力が新生児ほどまで低下した子供もいたという研究が報告されました(2019/11/1、ハーバード大学と国際チーム)。ワクチンは免疫記憶の自然喪失に対し、能動的な免疫記憶喪失の事例です。

イネの耐塩性研究から、過去にもっていた耐塩という性質が喪失したのではなく、半永久的な衰退状態であり、BIO-IT処置で取り戻したと考えています。

記憶も記憶の喪失も生きるために不可欠な生命現象ですが、その本質や原理はについて物理学的な観点(宇宙、地球、生命誕生、量子)からの推論を続ける所存です。

以上

BIO-IT技術開発者


理事長の市村武美です。

1957年東北大学院農学研究科博士課程修了、農水省研究機関勤務、マルハニチロ(株)(旧大洋漁業)主管研究員、沖縄海洋博アクアポリス館長を経て、「生命と水」の研究に専心。「人工生命水」を開発、つづいて独創的な『BIO-IT:生命情報伝達記憶技術』を確立。

薬剤を使わず免疫力を強化し、一方では、ウイルスなど病原体の働きを制御することに成功。

その理論と実証研究をまとめた「BSE・凶悪ウイルスに勝つ」を出版、分子生物学から電子・量子生物学への進展切り口として関係学会に大きな反響を呼んだ。

現在、感染症諸難病の予防治療や安全安心無農薬無添加食品生産などの研究に挑戦。BIO-ITは特許第 4183800 号。

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