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人類の危機にBIO-IT技術で挑戦~薬剤耐性を持つウイルスと人間の戦い~

2018/1/26

はじめに

30数年ほど前に、「問題を科学する」という私見について小誌の寄稿したことがある。

問題の本質を探り、最重要かつ緊急問題を浮き彫りに使用という魂胆であった。

問題の本質については、形式(慣習、さまざまな決まり事、ルール、自然の流れなど)と内容(社会経済活動および科学技術活動)のギャップであろうと考えた。

現実は、大小さまざまな問題が絶えることなくおこり、十分な対処が行われているかどうか分からないことが多く、次次に推移して行くと,感じられた。

また、最重要課題については触れぬままであった。

その後、私は、生命科学研究上の最重要問題は何かを考えることもなく、ライフワークである生命情報科学研究に傾注した。

ただ、20世紀後半ごろから、生物界の大きな変化を、それも劇的に加速化していることに懸念を抱いていた。

それは絶滅種の急増と細菌の薬剤耐性である。

当然、世界中の為政者・関連学者も絶滅種対策・生物共存の施策を強化や、耐性菌対策の新薬開研究を強化した。

しかしながら、絶滅種の急増制御もままならず、耐性菌と新薬開発は勝ち目のないイタチゴッコの様相をつづけている。

しかし、この問題が人類の危機を招くような超深刻な最重要問題にまで発展するであろうと、想定しる風潮は感じられなかった。

さらに近年来、細菌の逆襲に追い打ちをかけるようウイルスの暴発が世界を震かんさせた。

とくに飛まつ感染し、強病原性の新型トリインフルエンザウイルス出現の恐怖である。

多くのウイルス学者によれば、この新型ウイルス出現の時期を予測することはできないが、あきらかに出現の可能性は高まっている。

この冬に出現するかもしれないし、3、4年後に出現するかもしれないのである。

この新型ウイルスに対する予防の主軸はワクチンであるが、新型ウイルス出現後の製造であり、まさに泥縄の状態である。

また、抗ウイルス剤備蓄にも限界がある。

さらに、ウイルスは細菌以上に優れた薬剤耐性獲得能をもっており、薬効が薄れることも案じられる。

私は、機会ある毎に、この新型ウイルスによる世界的なパンデミックは有史以来の初めての人類の危機をむかえるもので、超重要かつ緊急の問題でとして抜本的な対策の国際研究を訴えている。

さらに、人類の危機をむかえるもう一つの不安がある。

それは核戦争勃発の危機である。。

2018年1月25日、米科学誌「ブレテン・オブ・ジ・アトミック・サイエテスツ」は世界最後の日までの残り時間を象徴的に示す「終末時計」を前年より30秒短縮して2分前と発表しました。

アメリカと旧ソ連の冷戦期の1953年と並んで過去最短の 「残り2分」になった強い危機感を示したものです。

世界終末とは核戦争などによる人類の絶滅の日です。

人類の存続おおきくゆさぶるのは。物理学研究が生んだ核の戦争だけではありません。

化学研究からは超殺傷力のサリン、生物学研究からは猛毒の土壌菌などが生産されて、戦争に使われると計り知れない死傷者を出すでしょう。

さらに、世界の人口が増え続けています。

特定の生物種だけががとめどもなく繁殖し続けることはありません。

増殖膨張が極限に達した動物種は一挙に絶滅に近い状態に落ち込むの自然の理です。

その大きな原因の一つは飼料です。

現在、世界の人口は73億人程ですが年々増え続け、2050年には91億人に達すると予測されています。

さらに増え続けると食糧の生産が追いつけなくなります。

そして食糧争奪が激化し、戦争ぼっ発のする危機が高まっていきます。

戦争以外に人類の生存を脅かすのは感染性の病気です。

6世紀中ごろヨーロッパの中心 都市コンスタチノーブルに黒死病といわれるペスト感染が広まり、一日に1万人ほど死者がでました。

特に14世紀の大流行は、世界の人口4億5千万人から3億5千万人にまで減少させました。人間はさまざまな強病原性の細菌類に対して化学薬剤を使って制御してきました。

さらに抗生物質が開発され、細菌の制御に成功したと思うようになりました。

しかしながら、疾患に対しても安易な投薬が行われた結果、薬剤耐性菌・多剤耐性菌のまん延をまねいたといわれています。

細菌類は生き延びるため必死に薬剤耐性獲得の変化を続け、細菌の逆襲といわれています。

それに対応する新薬の開発が手遅れ状態で、このイタチゴッコの競合に勝ち目を見出せない今日です。

細菌以上に強烈な感染力と毒性という病原性をもつウイルスが出現すると、世界中の大半の人間が命を失う世界大流行(パンデミック)が起こります。

このウイルスはA型のインフルエンザで、出現可能性は急速に高まっています。

現代科学ではパンデミックを予知することも予防することもできないのです。

パンデミックが起こると、長年にわたって築き上げた文明が一挙に崩壊し、極地などでわずかに生き残った人達だけになるでしょう。

どうしたら核戦争などのぼっ発を防ぐことができるのでしょうか。

大変難しい問題ですが、何としても解決策を見出さなければならないのです。

先ずは、一人ひとりがこの有史来の大問題に関心を抱き、核戦争反対の大きく輪を広げましょう。

核のボタンを押すのは、いがみ合っている国家のトップ為政者です。

私は、世界中の平和の声が、核のボタンを押すことができる為政者の理性を保ち続ける大きな原動力になると信じています。

ウイルスによるパンデミック対策の画期的な新しい科学技術の創出を期待する声が高まっ
ています。

私は生命情報科学・技術研究をライフワークにしています。

その中の重要な研究課題の一つがウイルス制御技術です。

現在、未熟ながらこの技術の成果をあげており、 世界中の研究者と協同してさらなる開発を進めることを夢見ています。

1.核戦争がいつ起こるの?

この起因を探るため文化・文明の足跡を少したどってみましょう。

辞書で引くと、文化とはそれぞれの民族・地域・社会に根付いている人間の生活様式の全体、主に人類が培ってきた哲学・芸術・科学・宗教など精神的なことで、英語に当てはめるとCultureでしょう。

文明とは知恵が進み世の中が開けた状態で、精神的・物質的に生活が豊かになった状態です。

しかし、現在における文明と言う言葉の概念はとしては、精神的な発展よりも技術・機械の発達や社会制度の整備などに対するニュアンスの違いが強く、英語に当てはめるCivilizationが一番近いようです。

文化・文明は、特異的に脳が発達した人類が生み出した特有のものです。

現在、人類は文化・文明を発達させながら、多く人達は平和で物質的に豊かな生活を謳歌しています。

しかし、一部の人達は飢餓や争いの中で生き延びるため必死にもがいています。

このような状態は古代から連綿と続いているのです。

人間が誇りとする理性・人間性の裏側には凶暴性・動物性が潜んでいます。

この弱肉強食の動物性が争いの根源であり、古来からの続く戦争や20世紀の世界大戦、そして今日の国家間・民族間などのし烈な対立が高まっています。

1945年人類最初の原爆実験が米国で行われ、4年後の1949年には旧ソ連で原爆実験が行われました。

続いて、1953年米国と旧ソ連が水爆の実験に成功させました。

1962年、米国と旧ソ連が対立し、キューバの危機、核戦争の危機が迫りました。幸いに両国の為政者の理性が働いてこの危機を回避させることができました。

そして現在、核保有国は英国・フランス・中国・インド・パキスタン・北朝鮮の8カ国に及んでいます。

さらに、多くの国が原爆製造技術を所有しています。

理性を失った国の為政者がいつ核のボタンを押すかかわからない現在の世界情勢です。

2.最悪のウイルスパンデミックがいつ起こるの?

1)ウイルス感染症の脅威

1940年代に電子顕微鏡が実用化され、タバコモザイク病の研究で細菌より微小な病原体を視ることができ、ウイルスと名付けらました。

その構造はタンパク質の殻とその内部に入っている核酸だけです。

細胞をもたないので生物と一線を画する存在で、非生物とされることもあります。

ウイルス感染の歴史をさかのぼると、紀元前、エジプトのミイラに天然痘のこん跡がみられます。

日本では6世紀に天然痘ウイルス感染が流行しました。

15世紀コロンブスの新大陸上陸によりアメリカ大陸で天然痘が大流行しました。

50年間で人口が8000万人から1000万人に減少したとみられています。

この天然痘ウイルスは1980年WHOが世界根絶を宣言しました。

多くの病原性ウイルスの中で根絶できたのは唯一天然痘ウイルスだけです。

ヒトがかかるウイルス感染症はインフルエンザ、エイズ、エボラ出血熱、各種の肝炎、ジカ熱、ハシカ、水痘、ヘルペス、手足口病、ロタウイルス、日本脳炎、SARSなどがよく知られています。

また、動物がかかりるウイルス感染症は狂犬病、口てい疫, 鳥トリエンフルエンザ、コイペルペス、バキュロウイルスなどが大きな被害を受けています。

1918年にはスペイン風邪が世界的大流行し、4000万人ほどが死亡しました。

この病原体はインフルエンザウイルス(A型、B型、C型があります)でA型のH1N1亜型です。

その1957年にはアジア風邪(H2N2亜型)が大流行し、世界で200万人ほどが、1968年には香港風邪(H3N2亜型:初めてヒトとブタに感染)が大流行し100万人以上が死亡しました。

1997年にはソ連風邪(N1H1型)が局地流行(エピデミック)した。

2009年には新型インフルエンザ(H1N1亜型)がメキシコで流行した後全世界に拡大し、WHOがパンでミックを宣言しました。

2017年には新型イ ンフルエンザ・香港風邪・B型インフルエンザウイルス2型の4種混合が流行中です。

《参考》

1.インフルエンザウイルスは水鳥の腸内に感染する弱毒性ウイルスでしたが、突然変異によってヒトの呼吸器への感染性を獲得したと考えられています。

2.A型には126種類の亜型が確認されています。
これは、ウイルスの表面にある赤血球凝集素(H1~H16)と多くの生物がもっ ている酵素の仲間のノイラミニダーゼ(N1~N9)の組み合わせで多くの亜型ができるのです。

3. A型は遺伝子が変化し安い特性があり、亜型の亜型ができるのです(H1N1亜型、H2N2亜型、H3N2亜型)。さらに、この亜型が少し変わった変異体できます。忍者の変身術のようです。

4.A型は高い増殖率をもっています。忍者の分身術のようです。

5.1968年香港風邪(H3N2亜型)はヒトとブタの両方に初めて感染しました。ウイルスの種類により感染する相手の生物種がきまっています。これを特異性といいます。

この壁を乗り越えて2種類に感染するのは異例です。これまでに、狂犬病ウイルスはヒトにも感染するウイルスとして恐れられています。

6.2009年の新型インフルエンザH1N1型ウイルスに感染による致死率は米国が最も高く0.035%です。日本は0.004%程です。

現在、パンデミックが起こっても過去のような大被害を押さえているのは、うがいや手洗いなどの感染予防や、ワクチンや抗ウイルス薬などの防疫体制がととのってきたためです。

2)ヒトに襲いかかる新型トリインフルエンザウイルス(H5N1亜型)

これまでのA型インフルエンザウイルスと比べて、超強病原性をもつA型鳥インフルエンザウイルス2種、H5N1型とH7N9型がヒトに襲いかかる変化をおこし始めているのです。

鳥インフルエンザ流行の年代別推移をたどってみましょう。

《参考》

1.1959年にH5N1型が英国で流行しました。

その後、1976年にはオーストラリアでH7N7型が、1983年には米国でH5N2型が、1992年にはオーストラリアでH7N3型が、1997年にはオーストラリアでH7N4型が流行しました。

2001年以降、他のHN型も入り交じり出現し、世界各地で頻繁に流行しました。

2.2004年には H5N1型が日本で初めて発生しました。

3.2005年東南アジアで猛威を振るっている高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1型がヨーロッパでも相次ぎました。

4.アジアでは2003年~2005年に133人が鳥から感染し68人が死亡しています。

5.2003年~2016年の感染発症者は856人、死亡者は452人で、約53%の高致死率です。

6.現在、感染発症したヒトからヒトへの感染はみられていません。

鳥インフルエンザウイルスH5N1型がヒトを襲い始めたのは2003年ごろからです。

もっとも注目されるのは発症者の50%に近い驚異的な超致死率です。

このウイルスはニワトリの体温42Cに適応して活性化していますが、ヒトの体温36℃では増殖できません。

しかし、この温度の壁を乗り越えて感染発症したのです。

専門家は鳥インフルエンザウイルスH5N1型が、ブタに感染する可能性が高まっているのではないかと考えています。

このウイルスがブタに感染すると、ウイルスはブタの体温39°Cで増殖適温をもつ性質を獲得します。

ブタの体温39℃は鳥の体温42°Cとヒトの体温36°Cの中間の体温です。

鳥からブタへの温度適応変化を経て、さらにブタからヒトで増殖できる性質を獲得すると、ヒト型のH5N1亜型ウイルスが出現します。

このウイルスはヒトからヒトに感染しますので、専門家は注意深く見守っています。

《参考》

1.1968年には香港風邪(H3N2亜型)がヒトだけでなくブタに
も感染しました。

2.2009年にはブタのウイルスH5N1亜型がヒトにも感染しました。

ブタインフルエンザまたは新型インフルエンザと呼ばれ、世界中に流行しました。

このウイルスはブタの体温39℃からヒトの体温36°Cの適温殖適性を獲得したのです。

3.A型インフルエンザウイルスが温度の壁を容易に乗り越える変化をするのです。

鳥インフルエンザが発生した養鶏場で従事している人の中で、鳥インフルエンザに感染するのは一部の人です。

感染した人はウイルスを受け入れる窓口を持っている人です。

この窓口が特定の受容体(セプター)です。

鳥インフルエンザにかかった人から他の人へ再感染が起こらないのは、窓口を持っていないがない人だからです。

《参考》

1.受容体は細胞膜にあり、細胞外の物質や光を選択的に受けいれる多様なタンパク質(樹状の突起)の総称です。

2.タンパク質はアミノ酸がつがぎ合わさってできています。

アミノ酸の組み合わせで、多様なタンパク質ができます。

3.インフルエンザウイルスの表面にも受容体の樹状突起(HとN)があります。

4.ウイルスの突起Hのカギと、受容体の突起がカギ穴とが合致すると、それが感染であると一般的に感受すると説明されています。

鳥インフルエンザウイルスにかかる人は、窓口である受容体のカギ穴をを持った特別な人なのです。

しかし、ウイルスはカギの形の一部を変える特性を持っています。

今、恐れられているのは鳥形インフルエンザウイルスが、ヒト型インフルエンザウイルスに変わることなのです。

鳥インフルエンザウイルスが体内に侵入しても、ヒトの受容体のアミノ酸と2カ所ほど違ううだけで、カギとカギ穴が合致せず感染が起こらないのです。

ところが最近、突起Hの182番目と192番目の2カ所のアミノ酸がヒトの受容体のカギ穴に合致するように変化しているトリインフルエンザウイルスが見つかっています。

加えて、ヒトの体温で活発に増殖できるように変異した【H5N1亜型】が見つかったのです。

この増殖適温の変化は、懸念されていたブタを経由して獲得したのか、直接変化したのかは明らかになっていません。

この新型ウイルスがいつ暴発するのか全く予知できないです。

ただ、暴発の 可能性が極度に高まり、目の前に迫っていることは確かです。

3)もう一つのヒト襲いかかる新型鳥インフルエンザウイルス(H7N9亜型)

H7N9型は本来低病原性で、ヒトには感染しないと考えられていました。

しかし、2013年3月末に、ヒトに感染するH7N9亜型はが中国で初めて発見され、その後中国で流行中です。

2017年12月現在、感染者は中国1.557名、台湾5名、マレーシア1名、カナダ2名計1、565名です。

死亡者は少なくとも612名で、致死率は39%に達しています。

《参考》

1.H5N1亜型とH7N9亜型の比較

H5N1亜型のグラフ

H7N9亜型のグラフ

2.20世紀に大流行したインフルエンザ

名称 スペイン風邪 アジア風邪 香港風邪
HIN1亜型 H2N2亜型 H3N2亜型
死者数 4000万人 2000万人 100万人
致死率 2.0% 0.5% 0.5%

 

トリインフルエンザ由来のH7N9亜型は、H5N1亜型に比べると致死率はやや低いのですが、感染拡大は比較にならないほど速いのです。

また、20世紀から大流行し、現在も流行中のインフルエンザの致死率に比べ、H51NI亜型と H7N9亜型の致死率はけた違いの高さです。

このH7N9亜型がヒト型ウイルスに変るとき、この超高病原性が引き継がれるでしょうが、さらに高い病原性をもつ可能性も考えられます。

現実、このウイルスのヒト型化が着々と進んでいます。

(参考)

1.2017年10月東大医科学研究所の河岡教授らは、H7N9亜型のヒト型化に関する研究を報告しました。

2.H7N9亜型に対してヒトと似た反応を示すフェレット(イタチの仲間の実験動物)で実験したところ、変化したウイルスは咳、くしゃみなどの飛まつで感染が広まり、70%程が死亡しました。

3.遺伝子を調べた結果、ヒトの気道などに定着しやすいタイプに変わりました。

4.抗ウイルス薬の効果を弱める変化が起きました。。ヒト型したH5N1亜型同様にH7N9亜型がいつ出現するのかはわかりません。しかし、確実に出現の可能性が急速に高まっています。

3.ヒト型が進むH5N1亜型とH7N9亜型ウイルスの対策と予想される被害

1)警告、準備とうすい関心

香港の衛生保護センターは、刻一刻と迫るH7N9亜型ウイルスのパンデミックの危機を憂慮し、2017年1月22日、春節(旧正月)を利用して中国本土へ行く旅行者に「渡航を控えるよう」警告を発しました。

続いて1月25日WHOは

 

「中国でのH7N9亜型ウイルスの感染者が1016年秋からすでに225例に達し、過去4年の致死率が約40 %にのぼっている。世界はパンデミックのため準備が必要なのに、まだ十分に整っていない」

 

と警告する異例のコメントを発表しました。

日本の厚生労働省は、ヒト型H5N1亜型インフルエンザウイルス出現のさいの2つの対策について、次のように説明しています。

 

「一つは薬剤やワクチンで、もう一つはウイルスを国内に侵入させない水際対策や、もし侵入してもその地域に閉じ込めて感染の拡大を防ぐ地域封じ込め、あるいは外出や集会などの自粛。」

 

といった様々な公衆衛生的な対応です。

パンデミックワクチンは効果が高いのですが、ウイルスが出現してからでないと事前に製造できません。

出現すれば国は早急に製造を開始し、全国民に順次接種を開始します。

プレパンデミックワクチンは現在の鳥インフルエンザウイルスからつくるもので、ヒト型ウイルスのに対してもある程度の効果をもつ可能性が考えられます。

この備蓄量は2018年度1,000万人用で、接種対象者は医療従事者と社会機能維持者です。

日本で承認されている抗ウイルス薬は、商品名タミフルとリレンザです。

備蓄量は2500万人です。感染者は3、200万人、入院患者は53万~200万人、死亡者は17万~65万人と想定しています。

しかし、もう一つのヒト型H7N97N9亜型インフルエンザウイルスの対策はほとんど報じられていません。

2017年9月10日の朝日新聞は「想定外と考える」と題した記事を載せています。

その中で、ヒトからヒトに感染する想定外のヒト型変異ウイルスが出現、パンデミックの危機が迫ったという仮定が述べられています。

この病原体鳥インフルエンザウイルスは、想定していた型ではなく別の型でした。

政府が備蓄していたワクチンをあえて緊急接種、無効でパンデミックをひきおこしたというのです。

この別の型というのはヒト型H7N亜型のことでしょう。

これら二つのヒト型鳥インフルエンザウイルスの出現と、パンデミック予想に関心を深めている研究者/為政者などの関係者に比べ、ほとんどの一般国民は関心を抱いていないように思われます。

特に、ヒト型H7N9亜型ウイルスパンデミックによる想像を絶する有史以来の絶滅的被害の想定について、政府はほとんど発表していません。

発表による事前の大きなパニックをあんじているのではないでしょうか。

2)パンデミックの防御

ヒト型H5N1亜型とH7N9亜型のいずれかが出現し、流行が兆しが見え出したとしましょう。

国は直ちに全力をあげて、前述のような対応を講じるでしょう。

しかし、パンデミックを未然に防ぐことはきわめて至難です。

《参考》

1.医療従事者と社会機能維持者用のパンデミックワクチンの製造には約8週間かかります。全国民にわたるまでには半年から1年かかります。

出現がH5N1亜がであれば、準備しているプレパンデミックワクチンを使用します。

しかし、出現がH7N9亜型であればプレワクチンはありません。

2.インフルエンザワクチン接種しても発病をすべて抑えることはできません。有効率は60%ほどです。ワクチンの最大効果は重症化を予防することです。

3.抗ウイルス薬の効果を弱めるウイルスの変化が心配されます。

4.多数の航空機利用者による国際交流やウイルスの飛まつ感染などから、ウイルスの国内大都市への侵入、は容易に防げません。

5.広範な周辺養鶏場の全鳥の処理のような感染地域の封じ込めは、人間には出来ません。一挙に膨大な感染・発病者の隔離による封じ込めです。

感染者が航空機の搭乗者のなかに感染者がいたとしたら、同乗者の大半が感染します。

感染者を検疫で見つけも後の祭りです。

また、検疫で発病していない感染者を見逃す可能もあります。

ヒト型化したウイルスが飛まつ感染するように変化した新型であるとしたら、 パンデミックを防ぐことはとてつもなく難しいのです。

3) パンデミックの被害

前述のように、厚生労働省はヒト型H5N1亜型のパンデミックで国内感染者3200万人、入院は53万~200万人、死亡者17万~65万人と想定しています。

致死率は 0.53%~2.03%です。

中国で鳥から感染したH5N1亜型の致死率は53%、H7N9亜型の致死率は39%です。

医療体制が整っているとしての想定なのでしょうか。

首都圏には日本人の4人に1人以上が住んでいます。

もし、首都圏でこのパンデミックが起こった仮想してみましょう。

政府の想定をもとに、単純平均しても、パンデミック感染者は800万人、入院者は13万~50万人、死亡者は4万3千~16万200千人です。

隔離入院施設も、患者が必要とする酸素吸入器も、死亡者の火葬場施設もまったく足りません。

首都圏ひいては日本全体の人心と社会経済システム機能が崩壊し、容易に立ち直すことができないでしょう。

現在の鳥から感染するH7N9亜型の流行の速さはH5N1亜型よりはるかに高いのです。

しかし、H7N9亜型が接触感染から飛まつ感染に変って起こしたパンデミックは想像出来ないほどの惨状であり、政府の想定をはるかにこえる修羅場となるでしょう。

4) パンデミックの新対策構想の原点

私はこのような最悪の状態にBI0- IT(生命情報転写)技術は真っ向から挑戦しています。

現在までの研究成果からさらに開発を推進すれば、BIO-IT技術はパンデミックの大被害軽減に少なからず寄与できると自負しています。

この新技術では、ウイルス病は情報病であるという観点が基本です。

ウイルスに対しては薬剤でなく情報で対峠するという技術です。

私は2006年に「BSE・凶悪ウイルスに勝つ~新技術バイオーITとは;小学館スクェア」を自費出版しました。

BSE本の表紙

この本のあとがきの最後の数行を紹介しましょう。

 

「植物も細菌のそしてウイルスも、必要な刺激は情報として受け止め、記憶して反応して、生きる努力をひとときも怠っていない。これを心というなら、たとえ非化学的で超能力とそしられようが、これらの生物と心が通じ合う境地に達したい。いつ達するであろうか。老骨にむち打ち頑張り続けている」

 

出版から16年を過ぎた現在、病原性細菌もウイルスも生き残るために大きく変化し、さらなる変化を続けています。

この変化を加速している大きな刺激は相次ぐ抗菌・抗ウイルス薬開発と乱用です。

トリインフルエンザウイルスの側に立ってみましょう。

抗ウイルス薬はウイルスの存続にかかわる重大な刺激です。

この刺激に耐えられる、ウイルスは薬剤耐性という変化を始めています。

それだけではありません。

薬剤開発を進めている人間に対し、かつてない程の強病原性に変化して猛反撃を始めようとしているのです。

ウイルスにとっては、人間は無為に大衆の命を無為に葬ろうとしている独裁者と同列の生物種でしょう。

これがトリインフルエンザウイルスの心であり、真意であると理解しています。

前述の拙著では、BSE・ウイルスに勝つと題しましたが、現在、私は勝つと言ったことを反省しています。

私は、ウイルスという生命体と戦うのではなく、共存をはかるという意識の転換をしています。

共存のために薬剤による攻撃を止め、情報という刺激でウイルスの暴発をたしなめる手法がBIO-IT技術の原点です。

BIO-IT技術開発者


理事長の市村武美です。

1957年東北大学院農学研究科博士課程修了、農水省研究機関勤務、マルハニチロ(株)(旧大洋漁業)主管研究員、沖縄海岸博アクアポリス館長を経て、「生命と水」の研究に専心。「人口生命水」を開発、つづいて独創的な『BIO-IT:生命情報伝達記憶技術』を確立。

薬剤を使わず免疫力を強化し、一方では、ウイルスなど病原体の働きを制御することに成功。

その理論と実証研究をまとめた「BSE・凶悪ウイルスに勝つ」を出版、分子生物学から電子・量子生物学への進展切り口として関係学会に大きな反響を呼んだ。

現在、感染症諸難病の予防治療や安全安心無農薬無添加食品生産などの研究に挑戦。BIO-ITは特許第 4183800 号。

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